こんなことに気をつけよう中高年健康管理「壮絶なるがんとの闘い」
毎年五月は、大学のクラスの同期会で、今年も予定通り開催された。私はこの会の万年幹事を仰せつかっているので、毎年、名簿の整理をする。同期生は三十六人と少ないが、卒業以来四十六年の間に、死者が三人(死因はいずれもがん)、行方不明者が二人出た。このほかに闘病中の者が五人いるが、そのうちの一人から長文の手紙をもらった。
仮にK君としておこう。K君が原因不明の病気に襲われたのは、もう二十五年も前のことである。
血圧の急激な変動、発熱、震えなど更年期障害を重くしたような症状が続いたため、某国立病院に入院して検査を受けた。
しかし、原因がわからないまま検査のための入退院を繰り返し、やっと副腎のがんであることが判明した。
すぐに病変部を摘出したが手遅れだったのか、すでに周囲に転移していたという。K君のがんとの闘いが始まったのは、この時からだった。
私も何回か見舞いに行ったが、そのつど、体が憔悴してくるのがわかってつらかった。K君が遠方に転居したため、最近は見舞いに行っていなかったが、そのK君から、同期会に出席できない旨と、現在の状況を知らせる手紙が届いたのだ。
便せん六枚に、達筆な万年筆書きの長文だが、途中がかすれている。
しかし、内容は想像以上に壮絶なものだった。
その概要をご紹介する。
「一時、小康を保っていた病状が悪化してきた。四年前から肥大した腫瘍の圧迫によって食道に静脈瘤ができて破裂、手術は成功して一命は取り留めた。ところが、昨年の夏頃から、胃の後方にできた褐色細胞腫というがんが胃を圧迫、慢性的な胃痛に悩まされるようになり、これは現在も続いている。
褐色細胞腫という病気の特徴は、急激な血圧の変動だけでなく、腫瘍が分泌するカテコールアミンというホルモンが食事から摂取したエネルギーを浪費してしまうため、食事量を増やさなくてはならないのだが、胃痛と食道が圧迫されているため、食べることができない。このため体は痩せ、体重は五十キロを切るようになってしまった。
さらに悪いことに、歯周病が悪化し、食事がますます困難になってしまった。このため、体力が極度に落ち、この手紙も数回に分けて書いた。できるだけ、物事を明るく考えようとしているが、それもいつまで続くやら…」というものだ。
同期生一同が考え、見舞い文を書いた色紙と、私が、ストローで飲むだけで、高カロリーが摂取できる経腸栄養剤を送ることにしたが、この手紙を席上で披露した時には、さまざまな反応があった。いちばん多かったのは、「食事ができることの幸せを再認識した」というものだったが、私も同感だ。肥満を予防するため、なるべく食事量を減らすようにしているご同輩も多いようだが、中には食べたくても食べられない人もいるのだ。(鏑木長夫)
- by asafure
- at 2007年07月03日
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