人&ライフ 渡部周子さん(33)
昨年12月「〈少女〉像の誕生」という本を出版した。自身の博士学位論文『日本近代期における規範としての「少女」像の形成』(千葉大学)に加筆修正されたものだ。この中で渡部さんは明治期に作りあげられた「少女」という存在がどういうものであるかを、当時の修身教科書、少女雑誌また美術作品など膨大な資料をもとに解き明かしていく。「少女」を「就学期にあって出産可能な身体を持ちつつも、結婚まで猶予された期間」と定義。明治になって学校制度が確立され、江戸時代であれば結婚していた年齢になっても就学を続ける娘たちを、明治政府は「良妻賢母」育成のため「愛情」「純潔」「美的」という3つの規範で囲い込む必要があった。それが「少女」である。現代一般的には「年若い女性」という意味である「少女」には実はとんだからくりがあったのだ。
渡部さんは島根県生まれで関西の大学に学ぶ。千葉市に移り住み千葉大学院に通うようになったのは10年前。きっかけは大学在学中に美術史およびジェンダー研究の第一人者で昨年急逝した若桑みどりさん(当時千葉大教授)の著書に触れたことから。
「是非その指導を」と千葉へ。01年に文学研究科修士課程、04年に社会文化科学研究科博士課程を修了、博士号を取得している。
本は論文形式のため少々硬めの文章。しかしミステリーの謎解きに似た緊張感と期待感で先へ先へと読み進むことができる。女性の生き方を根本から考え直さざるを得なくなる一冊だ。
「女性の理想的な生き方は」の問いに「価値観が多様化した現代、答えを提示するのは難しいですね。学者として様々な考察をするのが私の務めだと考えます」と微笑んだ。 文 やまもとみどり
- by asafure
- at 2008年07月10日
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